エリマキトカゲ・ラッコ・コアラ・ウーパールーパーが大ブーム!
私が子どもの頃、突然のようにテレビやCMに登場し、キャラクターグッズまで作られるほど人気になった動物たちがいました。
今では普通に知られている動物ばかりですが、当時の人々は存在そのものを知らなかったので、初めて見たときには「こんな動物がいるのか!」と結構な衝撃を受けたものです。
その動物たちが、
- エリマキトカゲ
- ラッコ
- コアラ
- ウーパールーパー
の4種類です。
私はこの4匹を、親しみを込めて「昭和アニマル四天王」と呼んでいます。
もちろん当時そう呼ばれていたわけではありません。私が勝手につけただけです。
ちなみに、昭和の動物ブームといえばパンダも外せません。
ただ、私が生まれた頃にはすでにパンダブームが始まっていたので、今回は「自分が子どもの頃に突然ブームになった動物」という意味でパンダは除外しました。
では、昭和の人たちを夢中にした4匹を順番に振り返ってみたいと思います。
エリマキトカゲ――突然テレビに現れた珍獣
まずはエリマキトカゲです。
1980年代前半、エリマキトカゲは一気に日本中で知られる存在になりました。

1983年にTBS系列の動物番組『わくわく動物ランド』で取り上げられ、紹介されて話題となり、その人気を受けて1984年に三菱自動車「ミラージュ」のCMで、あの特徴的なエリマキを広げて走行す姿が強烈なインパクトを与え、国民的人気となりました。


普通のトカゲとは明らかに違う姿ですし、何よりエリマキを広げて二本足で走る姿が面白い。
今見てもインパクトがありますが、当時はあの珍妙な走り方はかなりの衝撃でした
エリマキトカゲはコアラなどに比べると現在はあまり馴染みがないので、今の若い人は知らない可能性もあります。もしかしたら当時の我々の衝撃をそのまま感じることが出来るかもしれません。
そして人気が出ると、当然のようにキャラクターグッズも登場します。
ガチャガチャ、トレーディングカード、文房具、ぬいぐるみなど、いろいろな商品になりました。

オーストラリアの2セント硬貨が販売される
さらに当時オーストラリアで普通に流通していたエリマキトカゲがデザインされた2セント硬貨がエリマキトカゲコインとして日本で記念コインのような扱いで販売されたりもしました。
日本で例えれば、海外で平等院鳳凰堂が大人気になり、10円玉が海外で販売されるといった感じです。
日本では珍獣だったのに、オーストラリアではお金に描かれるほど身近な動物だったのです。
当時のオーストラリア人は、このブームをどう思っていたのか聞いてみたいです。
エリマキトカゲの歌まであった
人気すぎて歌まで出来る程の大ブームでした。私が知る限りでも、
「エリマキトカゲ音頭」
歌・かしわ哲
「E・Ri・Ma・Kiとかげっこ音頭」
歌・ビートきよし
「あのエリマキトカゲの唄/ぼくはエリマキトカゲ受験生」
歌・はやしこば
などが存在します。
ただし、これだけ挙げておいて何ですが、私はどれも聞いたことがありません。
当時は、それだけエリマキトカゲが「動物」という枠を飛び越えて、キャラクターとして消費されていたということなのでしょう。
「とかげっこ」というキャラクターもいた
エリマキトカゲには、当時「とかげっこ」という名前のキャラクターも存在していました。
エリマキトカゲという実在の動物がブームになる
↓
エリマキトカゲをモデルにしたキャラクターが登場する
↓
そのキャラクターのグッズが発売される
という流れです。
子どもの頃に使っていた枕が、この「とかげっこ」のキャラクターだったのを今でも覚えています。
ラッコ――気がつけば身の回りにいた人気者
次はラッコです。
ラッコについては、エリマキトカゲやウーパールーパーほど「これがきっかけで大ブームになった!」という記憶が私にはありません。
気がついたら、「ラッコっていうかわいい動物がいる」という感じで世の中に登場していた印象があります。
実際には、鳥羽水族館で1983年にアラスカから4頭のラッコの飼育が始まり、翌1984年には日本初となるラッコの赤ちゃんが誕生しています。
この赤ちゃんには「チャチャ」という名前が付けられ、第一次ラッコブームにつながりました。
ただ、私自身は当時そのニュースを見た記憶がありません。
コアラなどのブームと一緒に、いつの間にか「かわいい動物」として定着していたような感覚です。

当時、とにかくラッコのグッズが多かった。
ぬいぐるみなど、ラッコをモチーフにした商品をよく見かけた記憶があります。
そのため、人気があったこと自体は間違いない事実なのですが、私の中ではエリマキトカゲやウーパールーパーに比べると、少しだけインパクトが薄い存在です。
とはいえ、ラッコも1980年代の動物ブームを語るうえでは欠かせません。
今では水族館で見ることはほとんどできませんが、当時は考えられないほどたくさんのラッコを見ることができました。
コアラ――動物だけでなくオーストラリアまでブームに
そしてコアラです。
1984年10月に日本へオーストラリアから初来日しました。
コアラが子供を背中に乗せている愛おしい姿や、誰も食べないから競争率が少ないという理由で毒性のあるユーカリを好んで食べるが、それが原因で具合が悪くなり1日の大半を寝て過ごす。などというお馬鹿で可愛いエピソードが話題となり、たちまち当時の人々はコアラの魅力の虜となります。
そしていわゆる「コアラ旋風」が巻き起こりました。
そして、コアラブームを象徴する商品のひとつが、今でもおなじみの「コアラのマーチ」です。
ブームに乗って誕生した、まさにコアラブームの生き証人的菓子です。
コアラが有名になると、コアラが食べるユーカリの葉まで知られるようになりました。

私の記憶では、エリマキトカゲよりもコアラのほうが先にブームになったような気がしていたのですが、実際に調べてみるとエリマキトカゲのブームのほうが先だったようです。
このあたりは、子どもの頃の記憶というのは意外とあやふやなものです。
オーストラリアそのものが注目された時代
コアラやエリマキトカゲの人気によって、原産地のオーストラリアという国そのものにも注目が集まりました。

オーストラリアには変な動物がたくさんいる
というイメージが広がり、カンガルー、タスマニアデビル、ウォンバットなど、さまざまな動物が紹介され脚光を浴びるようになりました。

この頃は、動物だけでなくオーストラリアそのものがちょっとしたブームになっていたように思います。
その流れの中で、タスマニア島を舞台にした映画『タスマニア物語』なども登場しました。
幻のタスマニアタイガーを探すというような内容の映画です。
エリマキトカゲとコアラから始まって、気がつけばオーストラリア全体が注目されていた。
今考えると、なかなか面白い時代です。
ウーパールーパー――CMひとつで日本中の人気者に
最後は、ウーパールーパーです。
1985年、日清食品の「日清焼そばU.F.O.」のCMに登場すると、

♪アイアイアイ、ぼくはウーパールーパー
UFOからやって来たんだ♪
という印象的なCMソングで爆発的人気となりました。
当時の子どもなら、ウーパールーパーという名前を一度くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
それまでほとんど知られていなかった生き物が、テレビCMをきっかけに突然みんなの知っている存在になってしまった。

これぞまさに、1980年代らしいブームだったと思います。
「ウーパールーパー」って本当の名前じゃないの?
ウーパールーパーというのは、原産地のメキシコで「アホロートル」と呼ばれているが、それだと名前に「アホ」とか「ロートル」とかついているのは印象が悪いという事で、日清がこの生物の名前をウーパールーパーと名付けたらそれが一般的になってしまったという事のようです。
海外では何とも思わないだろうが、確かに日本的な感覚では「アホなロートル(老人)」は流石にまずいだろうとちょっと納得する所です。
後に我々一般の人もウーパールーパーの正式名称は「アホロートル」だと聞かされたが、その名前も実は原産地のメキシコでそう呼ばれているだけで、実は種としての正式名称は「メキシコサラマンダー」で和名は「メキシコサンショウウオ」だったという事実が判明します。
私以外にもこの事実を知らないという人は結構存在すると思います。
現在では、もはやウーパールーパーのほうが圧倒的に有名です。
通称は皆知っているのに正式名称の方は全く知名度がないという珍しい生物です。
ウーパールーパーにもキャラクターがいた
さらに、そのウーパールーパーをモデルにした「ウッティ」というキャラクターが登場します。

黄色とピンクが存在していて、白い襷を掛けていてそこに「ウーパールーパー、ウッティ」と書いてあるぬいぐるみです。
当時このウッティのぬいぐるみが欲しかったのですが、当時1800円とかなり高額でとても手が出ず、友達が持っていたものを見てとても羨ましく見ていたのを今でも覚えています。

ウーパールーパーは食用にもなる?
そして、さらに衝撃だったのが、ウーパールーパーが現地では食用にされることがあるという話です。
かわいい癒し系キャラクターとして認識している日本人としては「食べる」という発想自体がほとんどありません。
日本でも食べられるところがあるらしいですが、一度その画像を見てみたら、あの可愛らしい姿のまま素揚げになっていたり唐揚げになっていたり・・シュールすぎる画像に食欲をなくすこと間違いなしです。
昭和アニマル四天王は、なぜあんなに印象に残っているのか
こうして振り返ってみると、エリマキトカゲ、ラッコ、コアラ、ウーパールーパーには共通点があります。
それは、単に「珍しい動物だった」というだけではありません。
テレビ番組で紹介され、CMに登場し、ぬいぐるみや文房具などのグッズになり、お菓子や歌にまで広がっていった。
つまり、動物そのものが一種のキャラクターのような存在になっていたのです。
今のようにインターネットやSNSがない時代だったからこそ、テレビCMやテレビ番組で見たものが一気に全国へ広がる力は、今以上に大きかったのかもしれません。
子どもだった私たちは、テレビに出てきた珍しい動物を見て、

こんな動物がいるのか!
と驚き、その動物のぬいぐるみや文房具が売っていれば欲しくなる。
そうして、動物そのものが記憶に残っていったのでしょう。
まとめ――エリマキトカゲ、ラッコ、コアラ、ウーパールーパー
今回は、私が勝手に名付けた「昭和アニマル四天王」として、エリマキトカゲ、ラッコ、コアラ、ウーパールーパーを振り返ってみました。
改めて並べてみると、
エリマキトカゲ
テレビやCMをきっかけに大ブーム。キャラクターグッズや歌まで登場。
ラッコ
水族館の人気者となり、1984年には日本初の赤ちゃん「チャチャ」が誕生。
コアラ
1984年の初来日をきっかけにコアラ旋風が起こり、「コアラのマーチ」なども登場。
ウーパールーパー
1985年の日清焼そばU.F.O.のCMをきっかけに大ブームとなり、独特の名前と姿が全国に知れ渡る。
という、それぞれ違った形で人気になった4匹でした。
今では、どれも「昔から知っている動物」という感覚があります。
でも、私たちが子どもの頃には、テレビに突然現れて「こんな動物がいるのか!」と驚かされた存在でした。
そして、その動物がグッズになったり、お菓子になったり、CMに出たりする。
そんな1980年代の空気を思い出させてくれるのが、この「昭和アニマル四天王」なのかもしれません。

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