元祖ギャルゲー『夢幻戦士ヴァリス』との出会い
みなさんは「元祖ギャルゲー」とも美少女ゲームの草分け的存在とも呼ばれ、今なお根強いファンを持つアクションゲーム『夢幻戦士ヴァリス』をご存じでしょうか。
私とヴァリスとの最初の出会いは小学生の頃でした。兄が誰かから譲り受けてきた1本のファミコンソフト。それがすべての始まりです。

ゲームを起動すると、画面上部から1本の剣が厳かに落ちてきます。そして女子高生らしきキャラクターが

とつぶやいた直後、唐突にその剣を振り回して謎の怪物たちと戦い始めるのです。

いや、結局その剣は何なんだよ?
という子供心に湧き上がったツッコミはさておき、とりあえずゲームを進めてみるものの、次に何をすればいいのかがさっぱり分かりません。
途中で建物の入り口のような場所に入ると、何度でも手に入る手榴弾やヒントらしきものがもらえることもあれば、入った瞬間に突然猫が

にゃー!!
と叫ぶ画面が表示されて追い出されることもあり、まさに混沌(カオス)としたゲーム性でした。
説明書もない状態だったため、あちこち右往左往している間にゲームオーバー。小学生がノーヒントでクリアするには、あまりにもハードルの高いゲームでした。
この記事ではファミコン版の、あの謎の剣を追い続けた話をしていこうと思います。
数年後、PCエンジンでヴァリスと再会
ファミコン版の記憶も薄れ、「あの剣の正体は何だったのだろう」という疑問だけが残っていた数年後、再びヴァリスの世界に触れる機会が訪れます。
中古ショップで見つけたのは、なんと続編である『ヴァリスⅢ』でした。
なぜ『Ⅱ』を飛ばして『Ⅲ』を買ったのかは覚えていませんが、ここから私のヴァリス熱が再燃します。

『夢幻戦士ヴァリス』の世界観を大まかに説明すると、「夢幻界」「暗黒界」「現実界」という3つの時空が存在し、それらの均衡が保たれることで平和が維持されているという設定です。
勢力図としては三国志のようなもの、と理解すると分かりやすいかもしれません。
『ヴァリスⅢ』では、主人公の「麻生優子」に加え、異次元世界を治める双子の王女「ヴァルナ」、魔界の鬼族の娘「チャム」の3人をステージに応じて切り替えながら進めるアクションゲームへと進化していました。
ここでようやく、主人公の女子高生の名前が「麻生優子」であること、そして例の剣を使える者が「ヴァリスの戦士」と呼ばれる存在であることが分かります。
しかし、肝心の剣については相変わらず謎だった。
※余談ですが、このヴァリスⅢのソフトの中に私が書いたと思われる謎のメモが入っていました。
タイトル画面でⅠ・Ⅰ・上・下・右・左・RUN という内容です。
なにが起こるか分かりませんが、気になる方はお試しください。
『ヴァリスIV』でも剣の秘密は分からず
その後、続いて購入したのが『ヴァリスⅣ』です。
この作品では主人公が交代しており、前作から数千年後の世界が舞台となっています。前作で仲間だったヴァルナが「魔幻衆」に捕らえられ、それをレジスタンス最強の戦士である新主人公「レナ」が救いに行くというストーリーでした。

そして例の剣は、ボスを倒すために不可欠な「ヴァリスの剣」として登場します。この時点で「とにかく凄まじい力を持った聖剣なのだ」ということだけは理解できました。
満を持してプレイしたPCエンジン版初代『夢幻戦士ヴァリス』
ここからが本題です。 PCエンジンで『Ⅱ』『Ⅲ』『Ⅳ』がリリースされた後、ファミコン版(およびパソコン版)のリメイクとして、満を持してPCエンジン版の初代『夢幻戦士ヴァリス』が発売されました。
これであの「長年の剣の謎」がすべて解明されるのではないかと、期待に胸を膨らませてプレイを始めました。

PCエンジン版のオープニングは、ファミコン版とは比べものにならないほど進化していました。
いつも通り女子高に通い、平和な日常を送る麻生優子。そこへ意味深なセリフを残して去っていく同級生の霧島麗子。これらが声優によるボイス付きの美麗なビジュアルシーンで展開していきます。
そして、突然怪物に襲われる優子。いよいよ剣が空から降ってきて、その意味が明かされる……と思った瞬間でした。

優子、この剣を使いなさい
謎の声とともに、優子の手元に例の剣が現れます。そしてそのままオープニングムービーが終了し、ゲームがスタートしたのです。

結局こっちも謎の展開かよ!
と思わずツッコミを入れてしまいました。
ただ、後から知ったのですが、そもそも主人公の優子自身が「何が何だか分からない状態」で戦いに巻き込まれているため、プレイヤー側が訳を分かっていないのも、ある意味で正しい演出だったようです。
ちなみに『Ⅲ』で登場した双子の妹「ヴァルナ」について、なぜ普通の人間家庭で育った優子に別次元の妹がいるのかという新たな謎も生まれました。
(ⅢかⅣで説明していたかもしれないが覚えていない)
※Ⅱは結局プレイ出来ずじまいでした。
結局「ヴァリスの剣」とは何だったのか?
長年追いかけた「あの剣の正体」ですが、公式な設定としては「ヴァリスの戦士として選ばれた者にしか扱えない聖剣」であり、夢幻界を守るための特別な力が宿った勇者の証のようなものです。
誰の手によって鋳造されたかといった詳細な設定は明記されていませんが、一般的には「夢幻界そのものの力を宿した神聖な剣」として解釈されています。
紆余曲折を経たシリーズの歴史と現在
『夢幻戦士ヴァリス』は、元祖ギャルゲーという側面を持ちながらも、本質は非常に硬派なアクションゲームとして人気を博しました。
しかし、開発元である「日本テレネット」の経営悪化により、シリーズは不遇の時代を迎えます。
2000年代中盤には「EANT(アント)」というブランドにライセンスが提供され、それまでの硬派なイメージから一転して、完全に大人向けの18禁タイトル(『ヴァリスX』)としてリメイクされてしまうという、ファンにとっては複雑な展開もありました。
サンソフトがヴァリスを復活させる
その後、日本テレネットは事業を停止しますが、ヴァリスのIP(知的財産権)は奇跡的な復活を遂げます。
- 2009年: サンソフト(サン電子)が日本テレネットの保有していた100以上のタイトル版権(ヴァリス含む)を取得。
- 2020年: 株式会社エディアがサン電子から『夢幻戦士ヴァリス』を含む旧テレネットタイトルの知的財産権を取得。
現在、エディアの公式展開においては、18禁時代の作品はシリーズの正史(年表)からは外されているようです。
まさにブランドを改めて大切に育て直そうという姿勢が伺えます。
その甲斐あって、近年ではNintendo SwitchやPlayStationなどで過去作のコレクション版が復刻され、現代の環境でも気軽にプレイできるようになりました。
夢幻戦士ヴァリスシリーズ一覧|発売順・対応機種まとめ
| 発売年 | タイトル | 主な機種 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1986年 | 夢幻戦士ヴァリス | PC-8801 | シリーズ第1作。ビジュアルシーンを取り入れたアクションゲームとして登場。 |
| 1987年 | 夢幻戦士ヴァリス | ファミリーコンピュータ | アクション性が強化された家庭用移植版。主人公・麻生優子が初登場。 |
| 1989年 | ヴァリスII | PCエンジンCD-ROM² | アニメーション演出や音声が追加され、ストーリー性が大幅に向上。 |
| 1990年 | ヴァリスIII | PCエンジンCD-ROM² | 優子・ヴァルナ・チャムの3人を切り替えて戦うシリーズ屈指の人気作。 |
| 1991年 | SUPERヴァリス 赤き月の乙女 | スーパーファミコン | 家庭用オリジナル作品。ストーリーやゲームシステムを一新。 |
| 1991年 | ヴァリスIV | PCエンジンSUPER CD-ROM² | 数千年後が舞台。主人公はレナへ交代。 |
| 1992年 | 夢幻戦士ヴァリス(リメイク) | PCエンジンSUPER CD-ROM² | 初代作品をアニメーション演出付きでリメイク。 |
| 2021年 | VALIS COLLECTION | Nintendo Switch | 初期シリーズをまとめて収録した復刻版。 |
| 2022年 | VALIS: The Fantasm Soldier Collection II | Nintendo Switch | メガドライブ版やスーパーファミコン版などを収録。 |
※ヴァリスシリーズはこのほかにも、PC-8801・X68000・MSX2・メガドライブ・PC-9801・Windowsなどへ多数移植・アレンジ版が発売されています。
本記事では、シリーズの流れを把握しやすい代表的な作品を中心に紹介しています。
あまり語られることはないが、ヴァリスはBGMも結構な神曲です。
現在はSwitchなどでも遊べる
かつてはPCエンジンやメガドライブを持っていなければ遊べなかったヴァリスシリーズだが、現在ではNintendo Switchなどでもプレイできるようになりました。
昔遊んだ人はもちろん、当時を知らない人でも触れやすい環境になっています。
まとめ
ファミコン時代の「謎の剣が降ってくる唐突なオープニング」から始まり、PCエンジンでのドラマチックな展開、そしてブランドの紆余曲折を経て現代に蘇った『夢幻戦士ヴァリス』。
魅力的なキャラクターと硬派なアクション、そして壮大な世界観は、現代の技術で丁寧にリビルドすれば、さらに多くのファンを獲得できるポテンシャルを秘めていると感じます。
いつか、完全新作としての『夢幻戦士ヴァリス』がプレイできる日が来ることを、一人のファンとして静かに期待しています。

こちらの記事もご一緒にいかがですか?
なぜ私はスーファミではなくPCエンジンを選んだのか|高校時代のDUO購入体験談
「2Dアニメこそ最強」と信じていた私が、FF7とFF10に完全敗北して3D時代を受け入れるまで

コメント