「2Dアニメこそ最強」と信じていた私が、FF7とFF10に完全敗北して3D時代を受け入れるまで

FFの世界をイメージさせた画像 ゲーム

高校時代に奮発して購入したPCエンジンDUO。世の中ではPlayStationやセガサターンが台頭し、格闘ゲーム『バーチャファイター』の登場によって、グラフィックの主流が2Dから3Dポリゴン時代へと突入していく真っ只中のことだった。

周りが次世代機へ移行する中でも、私は頑なに中古ショップでソフトを買い、PCエンジンDUOをプレイし続けていた。
なぜ乗り換えなかったのかといえば、当時の3Dポリゴンという表現にどうしても納得がいかなかったからだ。

バーチャファイターが変えたゲーム業界の流れ

確かに『バーチャファイター』のような格闘ゲームにおいては、3D化によって奥行きのあるバトルが実現し、ゲームとしての楽しさは増したのかもしれない。
だが、そもそも私は格闘ゲームに興味がなかった。格闘ゲームの世界だけで完結しているならまだ良かったのだが、これに追従するように、あらゆるメーカーがRPGの世界にまでポリゴンを採用し始めたのだ。

ポリゴンは確かに革新的な技術だったのだろう。しかし、当時の私にはグラフィックとしての魅力がさっぱり分からなかった。
あのカクカクとした、四角と丸を組み合わせただけのような雑なデザイン。あんなにショボいポリゴンで、わざわざRPGを作る意味があるのだろうか?と本気で思っていた。

2Dアニメーションこそが最強

日本は「ジャパニメーション」と称されるほどのアニメ大国だ。今まで以上に開発費をかけて中途半端なポリゴンゲームを作るくらいなら、PCエンジンのように、美しい2Dアニメーションのイベントシーンを入れた方がよほど魅力的だ。
PlayStationがいくら流行しようとも、表現力としてはPCエンジンの方が上だと信じて疑わなかった。

――あのゲームが登場するまでは。

私の価値観に一撃を加えていったあのシリーズ作品

2Dアニメーションこそが最強だと信じていた私に、超ド級衝撃を与えた作品。

それが『ファイナルファンタジーVII(FF7)』だった。

PS版FF7のパッケージ写真

ファミコン世代の私は、言わば「ドラクエ派」ではなく「ファイファン派」。
スーパーファミコン時代を含め、シリーズはすべてプレイしているほどの大ファンだった。その最新作である『FF7』のキービジュアルを目にした時の衝撃は、まさに「度肝を抜かれる」という言葉がぴったりだった。

PS版FF7の中身を写したパッケージ写真

主人公のクラウドがバイクに跨がって疾走するシーンや、巨大な建造物を見下ろすアングル。
それらを見た瞬間

流石にここまで表現できるなら、3Dもありかもしれない

と思わざるを得なかった。

実物と見分けがつかないほどの現代のCGに慣れている人からすれば、『FF7』のどこがそんなに凄いのか分からないかもしれない。しかし当時としては、文字通り信じられないクオリティだったのだ。

とはいえ、ここまでのクオリティでゲームを作れるのはスクウェア(現スクウェア・エニックス)だけで、他のメーカーの3Dグラフィックは依然として発展途上だった。

FFは認めるが、このレベルで作れないならやっぱり3Dなんて必要ない

それに『FF7』とて、移動中のキャラクター造形などはまだ角張っていたため、

イベントシーンは2Dアニメでやった方がいい

という想いはまだ根底に残っていた。

再び現れたあのシリーズ作品

そんな私のこだわりを、再び揺るがしたのがスクウェアのあのシリーズ作品

『ファイナルファンタジーVIII(FF8)』である。

FF8アルティマニアの表紙の写真

前作にあったポリゴン特有のカクカク感が薄れ、イベントシーンの映像は2Dアニメに引けを取らないレベルにまで進化していた。

この勢いなら、10年もすれば完全に3Dの時代になるんだろう

と思っていた。
しかし、その予想は大きく外れる。完全に時代が変わったと私に思わせた作品は、10年後ではなく、わずか2年後に現れた。

私の概念が完全にとどめを刺された瞬間

そう、またしてもスクウェア、そしてファイナルファンタジーである。
発売から20年以上が経った今なお、多くのYouTuberたちが実況配信で涙を流している色褪せない名作――

『ファイナルファンタジーX(FF10)』の登場だ。

FF10アルティマニアの表紙の写真

この作品の映像を見た時は、正直自分の目を疑った。『FF7』以来、いや、それ以上の衝撃だったと言っても過言ではない。

まだPlayStationが出始めた頃、コンピューター系の専門学校に通っていた私は、担任の先生から

人間の髪が風になびくような自然な表現は
CGでは絶対に不可能です

と教わっていた。だが『FF10』は、そんな言葉をあざ笑うかのように、ヒロインのユウナの黒髪を実に見事に、余裕でなびかせてみせたのだ。

巨大な脅威「シン」の襲撃によって命を落とした人々を、異界へと送る儀式――「異界送り」を執り行うユウナの圧倒的な美しさを目にした時、私はついに完全敗北を認めた。

ああ、本当に完全に3Dの時代が到来したんだな

この頃には私もPlayStationを手にしていたが、2D全盛時代を知る人間としては、少し寂しい気持ちもあった。

まとめ

今では3Dグラフィックは当たり前となり、当時のゲーム画面を見ても「こんなもの?」と思う人も多いかもしれない。

しかし、その時代ごとに技術の限界へ挑み、「ゲームの未来」を見せてくれた作品が確かに存在した。

私にとって、その代表が『ファイナルファンタジーシリーズ』である。

2Dこそ最高だと信じていた自分の固定観念を少しずつ、そして決定的に覆してくれた作品たちだ。
あの時に受けた衝撃は、20年以上経った今でも色あせることはない。

その後、スクウェアはエニックスと統合し、現在では『ファイナルファンタジー』シリーズも以前ほどの勢いがあるとは言い難い状況になっている。
それでも、ゲームの歴史を変えるような驚きと感動を何度も与えてくれたシリーズであることに変わりはない。

だからこそ、少し元気を失っている今のコンシューマーゲーム業界にも、『FFⅦ』や『FFⅩ』が登場した時のような、「ゲームの時代が変わった」と誰もが感じる作品が、また生まれることを期待している。

なお、スクウェアとエニックスの合併が当時どれほど大きな出来事だったのかについては、別記事
ゲーム業界の薩長同盟!?スクエニ合併の衝撃をファミコン世代が振り返る
でも詳しく紹介しているので、興味があればぜひ読んでいただきたい。

※当時、ファイナルファンタジーⅨ(FF9)は未プレイでした。



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