桃太郎電鉄で「なぜ桃太郎が鉄道会社?」と思った人へ|元ネタと誕生の理由を解説
桃太郎電鉄はなぜここまで定番ゲームになったのか
桃太郎電鉄シリーズといえば、今では家族や友達とワイワイ楽しめる定番パーティーゲームだ。
若い世代にとっては「気づいたら当たり前にあったゲーム」という感覚の人も多いと思う。
ただ、ふと疑問に思ったことはないだろうか。

なんで桃太郎が鉄道会社を経営してるんだ?
子供の頃は何も疑問に思わず遊んでいたのに、大人になってから急に気になってくるこの違和感。
当たり前のように受け入れていた設定だけど、よく考えるとかなり不思議な組み合わせだ。
実はこれ、ちゃんとした“元ネタ”と“誕生の流れ”がある。
私はファミコン世代で、当時の作品も実際に触れてきたが、今の若い世代だとこの背景を知らない人も多いと思う。
この記事では、そんな疑問をきっかけに、桃太郎電鉄がどのように生まれたのかを体験も交えて分かりやすく解説していく。
原点はRPG『桃太郎伝説』だった
すべての始まりは、1987年にハドソンから発売された
桃太郎伝説というゲームだ。
これは昔話の世界をベースにした和風RPGで、桃太郎が鬼退治をするという王道ストーリー。
ファミコン世代にとってはかなり知名度の高い作品で、後にPCエンジンなどでも展開された人気シリーズだった。
以前、別の記事でも触れましたが、レトロゲームには現代でも通用する強力なキャラクター性(IP)を秘めた作品が数多く存在します。
→2年待ったのに未完成だったゲーム|モンスターメーカー 闇の竜騎士の話
この桃太郎伝説も同様で、IPとしてのポテンシャルが高いゲームでした。
この作品の特徴は、とにかくキャラクターの魅力にある。
・食玩やガチャポンの景品として最適なフォルム。
・敵も味方も愛嬌のあるキャラクター。
なにより、鬼退治を目的としている内容なのに、敵を倒すことを「こらしめた」と表現する事でRPG特有の血なまぐささを緩和し、なんだか敵とも仲良くなれそうな心地にさせてくれるのである。

桃太郎電鉄が誕生した経緯
元々は双六のようなゲームを別作品として作る予定があったらしいが、
既にネームバリューがあった桃太郎伝説の”伝説”の部分をもじって”電鉄”と名前を変えて、いわばパロディとして誕生したのが「桃太郎電鉄」なのである。
だから桃太郎が鉄道会社を運営するという風変わりな設定になった。
初代ファミコン版は今とかなり違っていた
初代の桃太郎電鉄は今と違ってプレイヤー別にゴールする駅が設定されていて貧乏神などのお邪魔キャラも登場しなかった。
現在の桃鉄は物件の名前がほぼ同じ名前のものが何個か並んでいるだけだが、
初代は停車駅ごとの物件名に各地の特産品にちなんだ名前がついており、何もないマスに止まると
突然『デゼニランド』という物件が買えるイベントが発生したり、各地の温泉が出てきたり、こういう思いがけない隠しイベントに遭遇するのがとても楽しかった。
ちなみに『デゼニランド』とは、当時ハドソンから発売されていた有名アドベンチャーゲームのタイトルであり、さらにその元ネタは言わずもがな、あの有名な千葉県のテーマパークです。

貧乏神のモデルは開発者だった
桃鉄と言えばもはや代名詞的な存在となっている貧乏神。
実はこのキャラ、ゲーム監督のさくまあきらがモデルになっている。
当時『週刊少年ジャンプ』にあった投稿コーナー、ジャンプ放送局で、「えのん」というキャラクターで登場していて、その時の設定で語尾に

〇〇なのねん!
という口癖をつけていたものがそのまま今の貧乏神にも継承されている。
ジャンプ放送局とは
ちなみにジャンプ放送局とは、当時の少年ジャンプの最終ページにあったミニコーナーで、
- さくまあきら(えのん)
- 土居孝幸(どいん)
- 横山智佐(ちさタロー)
などのキャラクターが登場し、紙面上で様々なテーマを視聴者から募集して紹介する、
いわば紙媒体のラジオ番組のような事をやっていたコーナーの事です。

桃伝キャラは桃鉄にも受け継がれている
桃太郎電鉄には伝説時代に登場した敵キャラや仲間たちが名残としてちょこっと登場していたりする。
お供の猿・雉・犬などの動物たちや浦島太郎、金太郎などが目的地の駅にゴールすると登場したり、
夜叉姫(やしゃひめ。伝説シリーズでは元は敵として登場した、一本角の着物姿の女の子)
が桃太郎の隣でアナウンサー的なポジションで登場したりしている。
伝説時代のすりの銀次や貧乏神は敵として遭遇するが倒すことが出来ず、金を盗まれたりする。
桃鉄の方でも名残としてその特徴を引き継がれている。

まとめ|桃太郎と鉄道の違和感は「偶然の産物」
桃太郎電鉄は、本家よりもパロディの方が長く続いているという極めて稀な存在です。
桃太郎電鉄の「なぜ桃太郎が鉄道会社を経営しているのか?」という疑問は、決して深い設定があったわけではありません。
もともとは人気RPGだった桃太郎伝説のキャラクターを活かし、別企画のボードゲームに組み合わせた“スピンオフ作品”として生まれたのが始まりです。
つまり、
- 桃太郎と鉄道に直接的な関係はない
- 「伝説 → 電鉄」という言葉遊びから生まれた
- 人気キャラクターを活用したことでヒットにつながった
という、ある意味とてもシンプルな理由でした。
ただ、この“ちょっと無理のある組み合わせ”こそが、桃太郎電鉄の面白さでもあります。
細かい設定に縛られないからこそ、誰でも気軽に楽しめるゲームとして長く愛され続けてきたのでしょう。
そしてもう一つ、実際に昔の作品を遊んでいた立場から感じるのは、
当時のゲームには「多少の違和感すら楽しむ余白」があったということです。
名前のもじりや隠しイベント、ちょっとした内輪ネタ。
そういった遊び心が、プレイヤーの記憶に残る体験を作っていました。
もし機会があれば、初代の桃太郎電鉄を遊んでみてください。
今の作品とは違う、不思議で少し自由な面白さに気づくはずです。

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