なぜ私はスーファミではなくPCエンジンにハマったのか|高校時代のリアルな記憶
スーパーファミコン全盛期にPCエンジンを選んだ理由
私が高校生だった頃、世間はスーパーファミコン(SFC)一色だった。
友人たちも当たり前のようにSFCで遊んでいて、それが“普通”だった時代だ。
そんな中で、私はなぜかPCエンジンに夢中になっていた。
PCエンジンといえば、同世代でも

名前は知ってるけど触ったことはない
という人が多い、いわゆるマイナー機。
実際、一部のコアなファンが遊んでいた印象が強いハードだと思う。
それでも私にとっては、SFCよりも魅力的な存在だった。
私の前に現れた「3年先の未来」
世間がファミコンのドット絵やピコピコ音で満足していた1987年、すでにPCエンジンはこの世に産声を上げていた。
しかも翌年には、ゲーム界の常識を覆す「CD-ROM²」まで投入されている。
後に天下を取るスーパーファミコン(SFC)の発売が1990年だから、PCエンジンは実に3年も前から「未来」を先取りして走っていたことになる。
とはいえ、当時はまだお茶の間のファミコンブームが強烈すぎて、中学生だった私の家庭環境(親のゲーム拒絶の壁)も含め、周囲でいきなりこの最先端マシンに飛び込める奴は滅多にいなかった。
だが、雑誌の片隅で見た「アニメのようなイベントシーン」や、テレビから流れるような「本物のキャラクターボイス」の衝撃は、私の脳裏に焼き付いて離れなかった。
当時のゲーム機の常識からすれば、それは完全に時代を数歩リードした圧倒的な演出力だった。
オタク文化とゲームの微妙な立ち位置
当時は、いわゆる“オタク”という存在に対して、今よりずっと風当たりが強かった。
特にキャラクター性を重視したアニメには厳しく、オタクだとバレようものなら、からかいの対象になってしまうので皆バレない様にヒッソリとオタ活するのが当たり前だった。
ただ不思議なことに、ゲームだけは別だった。
アニメ調のキャラクターが出ていても、なぜか許される空気があった。
そんな時代背景の中で、アニメーション+ボイス付き演出を実現していたCD-ROM²は、自分にとって理想そのものだった。
PCエンジンDUOとの出会い
当時主流だったSFCに対して、私はあまり魅力を感じていなかった。
理由はシンプルで、
「PCエンジンの方がグラフィックが上に見えた」からだ。
むしろ、なぜこちらが流行っていないのか不思議なくらいだった。
そんな中、CD-ROM²と本体が一体化し、性能も強化されたPCエンジンDUOが登場する。
だが価格は59,800円と超高額!
正直大人になった今でも買うのは躊躇われるほど高い。

それでも購入を決意した理由があった。
購入を決めた決定的な理由「モンスターメーカー」
ゲーム雑誌に今後の発売予定のゲームが開発中の映像付きで紹介されるページがあった。
その時に載っていたのが「モンスターメーカー~闇の竜騎士」というゲームだ。
開発中の映像に心を奪われ、「どうしてもこれがやりたい」と思ったことが、
最終的な決断につながった。

モンスターメーカーについてはこちらの記事で詳しく紹介しています
→2年待ったのに未完成だったゲーム|モンスターメーカー 闇の竜騎士の話
自転車で買いに行った、あの日の記憶
私はDUOを買うために、お年玉や小遣いを必死に貯め、高校2年生の時、
ついに購入する日が訪れた。
私の住んでいた場所は田舎で、近所のおもちゃ屋ではPCエンジンDUOは売っていなかった。
そのため、遠くのデパートまで買いに行くことになるのだが、
田舎暮らしの私は当然そんな所には行った事もないし行き方も分からないので友達に付き合ってもらい、車で1時間かかる距離をはるばる自転車で買いに行った。
今思えば、よくそんな体力があったと思う。
数時間かけてたどり着き、ようやく手に入れたDUO。
感慨深かったのは言うまでもない。

購入から半年後に訪れた衝撃の“事件”
念願のDUOを手に入れた半年後、悲しみにも似た怒りが私を襲う事になる。
同じ機能でしかもちょっと改良されたPCエンジンDUO-Rが発売されたのだ。
その価格はなんと29,800円!
自分は59,800円で買ったのに、ほぼ同じものが3万円も安い。
大人になった今でも3万の差は相当大きいのに、当時は高校生。
ゲーム自体は楽しんでいる訳だから購入した事に関しては後悔はしていなかったのだが、

流石にそれはないだろ!
と、この時はさすがにショックだった。

PCエンジンDUOの欠点
PCエンジンDUOには魅力も多かったが、欠点もあった。
ロード時間が長く、フリーズしやすい
調子いい時は結構サクサク進むのだがたまにやたら時間がかかる時がある。
気づくとフリーズしてるなんてこともある。
そんな時は軽く本体を数回叩くとフリーズ状態から復活する時もあった。
振動に弱い
CD-ROM²の特性上、どうしても振動に弱い。
本体を床に置いてプレイしていると誰か人が歩いた振動でバグったりするので
ちゃんと揺れに強いテーブルなどに置いてやるのが普通だった。
ゲームバランスが悪い作品が多い
キャラやストーリーはよいのだが、如何せんゲームバランスが悪いものが多かった。
特にRPGは、
「グラフィックやストーリーは良いが、バランスが甘い」
という作品が目立っていた印象がある。
なぜPCエンジンは主役になれなかったのか?(一ファンとしての肌感覚)
誰が何と言おうと、グラフィックや演出のポテンシャルは圧倒的にスーパーファミコンより上に見えた。
それなのに、なぜPCエンジンは覇権を握れずに静かにステージを降りていったのか。
当時、リアルタイムでDUOを遊び倒していた私の肌感覚からすると、理由は大きく4つある。
「早すぎたオタク文化」の壁
今でこそアニメ調のキャラクターや声優カルチャーは市民権を得ているが、当時はまだ
「オタク=日陰の存在」という風当たりが強い時代。
PCエンジンが誇るキャラ重視の作風やアニメ的表現は、当時の一般的な空気感に対して、あまりにも時代が早すぎたのだ。
「ファミコン」という絶対王者のブランド力
どんなにPCエンジンが綺麗な画面を見せつけても、SFCには「あのファミコンの後継機」という、日本中の子供(と財布を握る親)からの絶対的な信頼があった。
このネームバリューの壁は、子供心にも「絶対に覆せない大人の事情」のように見えた。
家計を直撃する価格のハードル
後にDUO-Rが3万円を切る価格で出たとはいえ、SFCに比べれば周辺機器も含めてトータルの出費はやはり高価だった。
多くの家庭では、子供の誕生日やクリスマスに親が買い与えるのが定番。
そうなると、親としては家計に優しいSFCを選ぶのが自然な流れであり、PCエンジンは最初から選択肢から外されがちだった。
逃げ切る間もなく背後から刺された「次世代機の衝撃」
そしてトドメを刺したのは、1994年に突如として同時に発表された「プレイステーション」と「セガサターン」という、いわゆる次世代機の登場だ。
DUO-Rの発売からわずか1年。同じディスクメディアを扱い、あれだけ誇らしかったPCエンジンのグラフィックが霞んでしまうほどの怪物マシンだ。
PCエンジン側も、よりコアな層をターゲットにしたPC-FXを発売したりしたが、そもそも存在すら知らない人も多く、完全に次世代の波に飲み込まれて消え去ってしまった。
当時の自分の“読み違い”
とはいえ私はこれらのゲーム機の発売が発表された時

どうせ次世代機は流行らないだろう
と、楽観視していた。
PCエンジンDUOが流行らなかったのは価格も原因だと思っている。
それを考えればこの次世代機もゲーム機としては高額だ。
・プレイステーション(39,800円)
・セガサターン(44,800円)
しかも似た性能のものが2台。どちらを選ぶか当然みんな迷う。
似たようなゲーム機が同時期に発売されても潰しあって共倒れするだろうと思っていた。
しかし蓋を開けてみればプレイステーションは大ヒット。
今も後継機が登場する程だ。
そしてPCエンジンは静かに姿を消していった。

まとめ
PCエンジンは、
性能や表現力では決して劣っていなかったハードだった。
それでも負けた理由は
- 時代とのズレ
- ブランド力の差
- 価格の壁
- 次世代機の衝撃
このあたりが重なった結果だと思う。
ただ、今振り返ると
「時代がようやくPCエンジンに追いついた」
という見方もできる。
社会人となった私は次世代機が発売された以降も、DUOで遊んでおり、学生時代は買えなかったソフトを中古で買って数年は楽しんだ。
「好きだった人にとっては一生モノの思い出になるハード」
それがPCエンジンだったと思う。

こちらの記事もご一緒にいかがですか?
桃太郎電鉄はなぜ桃太郎が鉄道会社?元ネタと誕生理由をファミコン世代が解説
「ファミコンでテレビが壊れる」噂の真相|小型ブラウン管と視力の記憶


コメント