1980年代〜90年代、日本のお菓子売り場では“形で楽しむチョコ菓子”が大きなブームになっていました。
その中心にあったのが「きのこの山」と「たけのこの里」。
この2つのヒットによって、「味だけでなく“見た目や遊び”で楽しませるお菓子」が一気に増えていきます。
私の記憶でも、スーパーや駄菓子屋の棚には、
「なんでこの形にした?」と思うようなチョコ菓子がズラッと並んでいました。
・森や動物
・工事現場
・ハンコ
・魚の骨
今では考えにくいほど自由な発想です。
しかし、その多くは短期間で姿を消し、
今では「知っている人だけが覚えているお菓子」になってしまいました。
この記事では、そんな“きのこ・たけのこ時代”に生まれた
個性派チョコ菓子たちを、当時の空気感とともに振り返ります。
明治製菓 すぎのこ村|第三勢力として挑んだが消えた理由
1987年頃に登場したチョコスナック。
「きのこの山」「たけのこの里」に続く“第三の柱”として投入された商品でした。
ただ、正直に言うと当時でも存在感はかなり薄かった印象です。
スーパーで見かけても
「これ何だっけ?」となるタイプで、
定番の2強に比べて圧倒的に手に取られにくかった。
なぜ定着しなかったのか?
・形のインパクトが弱い
・ネーミングが地味
・既に2強のブランドが強すぎた
この時点で「後発が勝つ難しさ」がはっきり見えます。
森永製菓 さっチョコだち|CMは覚えてるのに商品が思い出せない不思議なお菓子
1984年頃発売。
逆立ちした動物チョコがクラッカーに乗ったユニークな商品。
♪さっちょこだち〜
このフレーズだけは今でも妙に記憶に残っている人も多いはず。
私もCMの印象は強いのに、
「味や食感が思い出せない」典型的なお菓子です。
消えた理由として考えられること
当時発生した「グリコ・森永事件」による流通停止の影響は大きいと考えられます。
新商品にとって“店頭から消える”というのは致命的。
定着する前に存在感が消えてしまった可能性が高いです。
ブルボン もぐやん工事中|構造で遊ばせる発想がすごかった
1984年頃発売。
モグラ型チョコで、起き上がりこぼし構造という異色の仕掛け付き。
子供の頃はこれ、普通に遊びます。
食べる前に机の上でコロコロ転がして、
「何回起きるか」みたいな遊びをしていた記憶があります。
ブルボン タコばた会議|ダジャレ全振りの80年代らしさ
タコの形のチョコ+クッキー。
「つまめばはずむ、タコばなし」というコピーがすべてを物語っています。
この時代、
“意味よりノリ”で作られた商品はかなり多いです。
逆に言うと、
それだけ競争が激しく、目立つ必要があったということ。
カネボウ ハンコください!!|名前入りチョコのワクワク感は異常だった
1985年頃発売。
クラッカーの先端に“名前入りチョコ”が付いた商品。
これ、当時めちゃくちゃ盛り上がります。
・自分の名前ある?
・友達の名前ある?
買う理由が「食べたい」じゃなくて
「探したい」になっているのがポイント。
大人になって分かるすごさ
・数百種類の金型
・大量生産との両立
普通に考えてコストがヤバいです。
ヒットしなかったら確実に赤字レベル。
ブルボン 木こりの切株|なぜ生き残れたのか?
1984年発売、現在も販売中。
たけのこの里とよく比較される商品ですが、
実際に食べるとかなり違います。
・チョコ感が強い
・クッキーの食感が軽い
生き残った理由
・味の完成度が高い
・差別化ができていた
・シンプルで分かりやすい
結局、「遊び要素」よりも
“普通に美味しいか”が最終的に勝つという典型例です。
森永製菓 くるみの森|勘違いさせるコピーが面白い
1982年頃発売。
くるみ型チョコの中にビスケット入り。
「くるみの森にだれかいる」
このコピーのせいで、
子供の頃は「中に何か入ってるのでは?」と本気で思っていました。
実際は普通にビスケットなんですが、
“想像させる売り方”が上手い。
森永製菓 つくんこ|森シリーズの中でも地味に長寿だった
1983年頃発売。
つくし型のチョコスナック。
森永の“自然系コンセプト”のお菓子群の一つで、
意外と長く続いた商品です。
派手さはないけど、
「安心して食べられる系」のポジション。
カネボウ トトカルチョ|意味が分からないのが逆に記憶に残る
1987年頃発売。
魚の骨×チョコという謎コンセプト。
正直、当時でも
「なんでこれ作った?」と思った記憶があります。
トトカルチョ=サッカー賭博
→魚との関係は不明
でもこういう“意味不明さ”こそ、
80年代のお菓子らしさでもあります。
ロッテ コアラのマーチ|完成度の高さが別格だった
1984年発売、現在も定番。
この商品のすごさは
「味・見た目・遊び」のバランスが完璧なところ。
・中にチョコ(食べやすい)
・コアラ柄(コレクション性)
・レア柄(遊び要素)
すべてがちょうどいい。
だからこそ40年以上残っています。
まとめ|なぜ多くのチョコ菓子は消えたのか
1980年代のチョコ菓子は、まさにアイデア勝負の時代でした。
・形で驚かせる
・仕掛けで遊ばせる
・ネーミングで印象を残す
しかし最終的に生き残ったのは、
・味が安定している
・分かりやすい
・長く食べ続けられる
この条件を満たした商品だけです。
逆に言えば、
どれだけ面白くても“一発ネタ”では続かない。
この時代の失敗と成功は、
今のお菓子にもそのままつながっています。
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